忌引休暇を終え、葬儀の次の日から職場へ復帰する。それは、深い悲しみを抱えながらも、社会人としての日常へと戻る、大きな一歩です。この復帰の日に、どのような挨拶と振る舞いをするかは、その後の職場での人間関係を円滑に保つ上で、非常に重要になります。ここでは、葬儀の次の日の、職場でのスマートな対応について解説します。まず、出社したら、何よりも先に、直属の上司のもとへ挨拶に伺います。上司は、あなたが不在の間、業務の調整などで最も気苦労をかけた相手です。その労をねぎらい、感謝の気持ちを伝えることが、最初の務めです。「部長、おはようございます。この度は、急なお休みをいただき、大変ご迷惑をおかけいたしました。皆様のおかげで、昨日、父の葬儀を滞りなく済ませることができました。本日からまた、気持ちを新たにして業務に励みますので、よろしくお願いいたします」。このように、①不在にしたことへのお詫びと感謝、②葬儀が無事に終わったことの報告、そして③仕事への復帰の意欲、という三つの要素を盛り込むと、誠実な気持ちが伝わります。次に、同じ部署の同僚や、チームのメンバーにも挨拶をします。あなたが休んでいる間、あなたの仕事をカバーしてくれていたのは、彼らです。「皆さん、お休みをいただき、ありがとうございました。ご迷惑をおかけしました。今日からまた頑張りますので、よろしくお願いします」と、一人ひとりの顔を見て、感謝の言葉を伝えましょう。この時、菓子折りなどを持参すると、より感謝の気持ちが伝わりやすくなります。個包装で、日持ちのするお菓子が、部署内で分けやすく喜ばれるでしょう。もし、部署全体や会社から香典をいただいた場合は、朝礼などの場で、改めて全員に対してお礼を述べるのが丁寧です。「この度は、皆様から温かいお心遣いをいただき、誠にありがとうございました」。葬儀の詳細について、自分からあれこれと話す必要はありません。仕事の場であることをわきまえ、もし尋ねられたら、簡潔に答えるに留めます。悲しい気持ちを完全に切り替えるのは難しいかもしれません。しかし、周囲への感謝を忘れず、社会人としての役割を果たそうとする誠実な姿勢が、あなたの信頼を高め、温かいサポートの輪を広げることに繋がるのです。