大切な家族が危篤であるという知らせは、誰にとっても大きな衝撃であり、冷静さを失ってしまうのは当然のことです。しかし、そのような混乱した状況だからこそ、まず何をすべきかを順序立てて考え、行動することが、後悔のないお見送りのために非常に重要になります。まず、医師から危篤の連絡を受けたら、深呼吸をして、一度気持ちを落ち着かせましょう。そして、電話で伝えられた内容、例えば病院名や病棟、面会のルールなどをメモに取るなどして、正確に把握することが大切です。次に、最優先で行うべきは「近親者への連絡」です。危篤の知らせは、家族や親しい人々が故人と過ごす最後の機会を与えてくれるものです。誰に、どの範囲まで連絡すべきか、あらかじめリストアップしておくとスムーズです。両親、兄弟姉M妹はもちろんのこと、特に故人と親しかった親戚や友人にも、ためらわずに連絡しましょう。その際、伝える側も動揺しているため、「落ち着いて聞いてほしい」と前置きし、状況を簡潔に、そして正確に伝えることが重要です。連絡を済ませたら、病院へ向かう準備をします。数日間、泊まり込みになる可能性も想定し、着替えや洗面用具、携帯電話の充電器、少額の現金などを用意しておくと安心です。会社の同僚や上司への連絡も忘れてはいけません。事情を説明し、当面の間、休みを取る必要があることを伝えておきましょう。そして何よりも大切なのが「心の構え」です。これから起こるかもしれないお別れの現実は、非常に辛いものです。しかし、残された時間は、故人のためだけではなく、遺される自分自身のためにもあります。後悔しないよう、伝えたいことは全て伝え、穏やかな気持ちでそばに寄り添う。その覚悟を決めることが、この困難な時を乗り越えるための、大きな支えとなるはずです。